月夜の原野



月夜の原野に住みたい彼女は

流れる光をひとり占め

大地の寝言をひとり占め



月夜の呼吸に恋をして

月夜の素肌に包まれて

月夜に裸足をからませて

月夜の瞳で泳ぎたい



だから彼女は求めない

わかっているから求めない



そこには淋しさしかないことを



だから彼女は求めない



月夜の原野に住みたい彼女は

月夜の原野を求めない





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