小池孝典アリゲーターブルース


●1st DEMO CD 『1st DEMO SESSION』



(inner)

2015.7.12 out / stereo / including 3 songs / Take Free

Baby,boogie is you / メタリカ・ブルース / 夏の蜃気楼

アコースティックFOLK&BLUES、コイケ×マモ 第一弾作品(無料配布)。
2015年3月よりカホン・マモ氏(THE LOW NUMBERS/ナミダロジック/ミサキタツヤと西荻酔月楽団)
とアコースティックユニットをスタートさせ、コイケのソロ曲にリズムを付けるという形で始まったコイケ×マモ。
元々フットストンプでリズムを出していたコイケの曲だが、リズムの職人がビートを奏でることで
当然のように違った世界が浮かび上がり、そこにはまるで違う景色が次々と映し出されていった。

限られたスタジオセッションの中で生み出された 「Baby,boogie is you」と「メタリカ・ブルース」。
特に「メタリカ・ブルース」は、カホンの常識を打ち砕くようなマモ氏の爆裂なビートの渦と、
コイケのこれでもかと唸るスライドギターのせめぎ合い、まさに1対1の音のバトルが繰り広げられ、
しかしキメの部分では一瞬にして完全なる一体感を叩きつけ,鼓膜と脳天をつかんで離さない。
「Baby,boogie is you」では歌詞はほぼタイトル文言しか唄われていない。横ノリのビートの中
パーカッシブに踊り狂うスライドとまさにダンサンブルな3連シャッフルのカホン、唄も含めて全てが
"リズム"と言えるダンスナンバーで、コイケが敬愛するMississippi Fred Macdowellのスライド
がダンサンブルであるように、ノリや手法こそ違えどダンスグルーブとしてのブルーズパワーが
そこには詰まっている。

収録曲のうち唯一元々コイケのソロ曲であった「夏の蜃気楼」も、ボサノバに近いマモ氏のビートが
加わったことによりその印象はがらりと変わった。
オープンコードの開放弦の響きが印象的なコイケのギターも,やや直線的なソロ時よりも
弾き方が優しく流線的になり、唄もより優しく情感が増し、マモ氏のライブ中のMCでの表現を借りるなら、
"世界の車窓からみたいな曲"に変化した。
それはまさにふたりの融合が生み出した新しい景色。ひと気のない夏の静かな海辺、そこから見えるゆるやかな情景は、
蜃気楼が幻の夢の世界から希望のベンチに色を付ける、穏やかな心の稜線。

スタジオでのICレコーダー完全一発録りの為、唄が若干聞き取りづらい嫌いはあるが、
全曲を通じてふたりの演奏はこれでもかとダイレクトに飛び込んでくる。





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